前回、なぜテレビがイヤになったかを書いた。非常にワガママな理由だと我ながら思う。
実はテレビには「有名人と知り合いになる」などというクダラナイこととは比べ物にならないほどもっと凄い魅力があり、そのことに僕はとてつもない羨ましさを感じている。
それは言わずもがな「不特定多数の人に自分の作品を見せる」ということ。
不特定多数の視聴者を相手にしていると自然と映像の作りは「誰にでも分かる」構造になってくる。実はこの「誰にでも分かる」ように作ることは非常に難しく、訓練された人でないとなかなかできない。この能力はテレビをやっていると強力に養われるのだ。前回のエントリーと逆説的になるが「口を出す人が多い」のがよい鍛錬になる。
またやはり多くの人に自分の能力を問い掛けられるということの魅力は何にも代え難い。自分が作ったものに対して見ず知らずの視聴者から反響があると、どれだけ仕事が辛くてもその全てを忘れてしまうほど報われた気分になる。
以上のようなテレビが持つとてつもない魅力を僕は知っている。でも、どうしてもテレビを続けることができなかった。もちろんテレビには企画を通すという高いハードルもあるし、そんな能力があまりなかったという事情もある。
僕の場合、もうテレビの企画を考える行為そのものを放棄したので、たまに「企画書出して」という話をいただいてもマシな企画は書けない。もう一つあるのがあらかじめ通った企画があって放送局も日時も決まっていてその演出をやらないかというお誘い。これは事情が合えば請けることはあるがあまりそんな話もない。そんなこんなで残念だけど今ではテレビは年に1本やるかやらないか程度になってしまった。
とまあ、なんかテレビができない負け犬のようが話になってしまったが、次は僕がやっているVPについて書いてみたい。
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